ThinkPad X201 Tabletの筆圧・消しゴム機能をチェック
光ポータブルの記事を挟んでしまいましたが、忘れてたわけではありません、ThinkPad X201 Tabletのレビュー。前回のマルチタッチに続き、タブレットPCど真ん中の機能、ペン機能についてレビューしようと思います。ただペンを使うだけでは書くことがないので(マウス替わりに使う分には普通に使えて当然)、ペンの筆圧機能と消しゴム機能がきちんと使えるかを検証してみました。まず、お絵かきといえばWindows標準アプリ「ペイント」。
激しく残念な結果です。下の「消しゴム非対応」という文字は、ペンの消しゴム部分でかけてしまったというもの。まぁ、低機能なペイントですから、これで驚いてもしかたありません。
続いて、タブレットPCで使うことを想定して設計されているWinodws標準アプリ「Windows Journal」(「スタート」→「すべてのプログラム」→「アクセサリ」→「Tablet PC」に入ってます)。
デフォルトのペンは筆圧検知をしないものになってますが、設定を変更してやれば筆圧をきちんと認識します。また、消しゴム機能も有効で、オブジェクト単位(引いた線1本ごと)にサクサクと削除することができます。このほか、OneNote 2010でもちゃんと筆圧と消しゴム機能が使えます。
ところが、一番ワタシが使いたかったPhotoshop CS5では残念な結果になってしまいます。
非常に太いブラシを使ったので見づらいですが、筆圧も消しゴムも非対応です。
これはどういうことかというと、Tablet PC APIに対応しているアプリケーションソフトについては筆圧と消しゴム機能に対応しているものの、ワコムのペンタブレットAPI「WinTab API」を使っているPhotoshopのようなソフト(SAIとかもそうでしょう)では筆圧と消しゴム機能に非対応なのです。
ワタシは先日書いたようにThinkPad X61 Tabletを持っていたのですが、そのときも同じくTablet PC APIを使うソフトだけ筆圧&消しゴムが使え、Photoshopなどでは使えなかったのです。
しかしそのときは解決法がありました。ヨーロッパのワコムのサイトから、ベータ版のドライバーをダウンロードしてインストールするというものです。それでPhotoshopでも筆圧&消しゴムが使えるようになったのです。しかし、現時点ではWindows 7用のTablet PC向けドライバーがワコムのサイトで提供されてません。
いろいろググってみたのですが、筆圧&消しゴム機能に対応させる方法を見つけました。それは富士通のサイトで配布しているワコムのドライバーをインストールすることです。
果たして富士通のサイトで配っているものをレノボのPCにインストールしてよいものか。「ご使用にあたって」と「詳細情報 (修正内容、インストール方法、対象機種、注意事項、他)」をよく読んでも、「タブレット PC デジタイザーを搭載する機種」という使用制限事項はあっても、富士通以外のPCで使ってはならないという条項はありませんでした。
そんな大人の事情はともかく、ダウンロードしてインストールしてみます。実際のインストーラーはワコム名義になっており、ThinkPad用のものと見た目はほとんど同じ。もちろん問題なくインストールが完了します。インストール後は再起動が必要になりますが、そのあとPhotoshop CS5を起動してペンを使ってみた結果が以下の通りです。
これこの通り、見事に筆圧&消しゴムに対応するようになります。Photoshop CS5は非常に価格が高いソフトだけに、その機能がフルに使えないのはイライラしますよね。そんなイライラも富士通のサイトで配布しているドライバーで解決というわけです。
ThinkPad X201 Tabletが、あいかわらずThinkPad X61 Tablet時代から進化してなかったわけです。つまりはレノボの開発者が定番アプリであるPhotoshopの動作検証をしてないわけで、正直がっかりです。
本気でタブレット機能でThinkPadを売りたいのなら、WinTab APIに対応させたドライバーを用意するべきです。ユーザーがワコムや富士通のサイトからドライバーを落とさなければならないなんで言語道断です。レノボにはこの点をぜひ改善してもらいたいものです。